鬼の居ぬ間に睡眠

ゲームと漫画が生きがい

グラブル ツーラーが完全駆逐されない理由

某ツールが話題になってたので解説。
「○○(ツール名)利用者はBANしろ」というのが
一般ユーザーの当然の感情だと思うのだけど、
悲しいことに動画で挙動を見る限り駆逐は難しいのである。
※タイトルからツール名バレちゃうので参考動画はありません


某ツールの挙動

某ツールはGoogleChrome拡張として提供されており、
主に画面構成の改ざんを行うツールである。

これと似たような挙動を起こすツールは、
有名所だとAdBlockなどの広告ブロックツールがそれにあたる。

動画を見る限り、某ツールは以下のような機能を持つ。

  • お気にいりサポーター召喚石の設定
  • バトル開始時からアビリティの選択が可能
  • キャラをクリックしなくてもアビリティの選択が可能
  • 召喚石一覧をクリックしなくても召喚石の選択が可能
  • アビリティや召喚石の残CTを表示
  • デバフの残り効果時間を表示
  • 次Rankまでに必要なRPの表示*1
  • 「直前のターンを処理中です」のポップアップ無効

これらの中でBANに持っていけそうな要素は

  • バトル開始時からアビリティの選択が可能
  • 「直前のターンを処理中です」のポップアップ無効

の2つだけ。しかも明確にBAN対象となり得るのは前者のみ。
後者は誤BAN乱立で大騒動が起こりかねない。

何故BANできないのか

簡潔に言うと、非ツーラーとの区別が付かないため。
画面構成の改ざんを行う拡張機能は、

  1. 表示したい画面(Webページ)をそのまま受け取る
  2. 受け取った画面に対し、画像の削除や追加、位置の変更を行う

という手順を踏む。
サーバーから画面を受け取った段階ではまだ改ざんしていない
というのがポイントで、画面構成の改ざんはサーバー側には見えない。

エスト選択画面などに移行するとURLが変更されるが、
どのクエストを行うかを選択するまではURLが変更されない。
それまでは全てユーザー側に処理させているということ。
この手の操作にもサーバーの通信を介するような仕様にすると一瞬でアクセス過多になってまともにゲームができなくなるので、この仕様はどうしようもない。

画面構成の改ざんを行っているかをサーバー側から判定できないので、
運営側からは下手に対処できないというからくり。

どうやったらBANできるのか

バトル開始時からアビリティの選択が可能に関しては、
戦闘開始前かつ戦闘開始演出時間より行動開始時間の方が早い
ならツール利用と判断できる。
戦闘前演出時間がボスによって異なるので簡単にとは言えないが。
アビリティの選択をすると
「アビリティを選択したこと」をグラブルのサーバーに送信し、
「その結果どうなったか」がサーバーから返される。
そのため、サーバーに保存しているであろう戦闘のログを漁れば、明らかにおかしい速度でアビ選択をしているユーザーを割り出すことができるだろう。

画面構成改ざんに関しても、実はBAN可能だったりする。
画面構成の変化を常時監視する機能を付与にすればいい。
『広告ブロックを解除しないと閲覧できません』と表示されるWebページを見たことがある方もいるのでは?
あれは、「広告が非表示になっている」かを検知する処理を埋め込むことで実現されている。これを応用すれば画面構成の改ざんも検知できるという訳。
ただ、バグと誤BANの温床になりかねないので中々シビア。
ある日突然ユーザー全員誤BANなんて危険性が…。

動画だとばりばりアビ使ってるので流石にBANできそう。
直前のターン無視して攻撃連打は副窓でも再現できるのでツールの判別は難しそう*2。副窓にしては連打早すぎるけど。

余談:BOTについて

ゲーマーならBOTという存在を知っている人も少なくないと思うが、
BOTには簡単にBANできるものとBANが難しいものがある。
前者は機械であることを全力で活かしたBOT
後者はあたかも人間がプレイしているかのように振る舞うBOT

BOTは瞬時に状況を理解しそれに応じた行動を起こすことが可能*3
よって、人間には不可能な反応速度でマウスをクリックさせたりできる。
人間には不可能な挙動ってことはつまり…という訳で、
こっちの類のBOTは自動的にBANさせられるくらいには検知可能。

後者のBOTは、BOTの機能を人間レベルまで落とす。
当然超高速プレイなんてことはできなくなるので効率は落ちるが、
あたかも人間がプレイしているとしか思えない動きをするので、
人間がプレイしているのかBOTなのかの区別がつかなくなる

常に一定の速度で特定の行動を行うとか、24時間動き続けるとか、
そういった要素からBOTであることを判別することもできるが、
ランダムな速度で、ある特定の時間帯のみ動くようにすればいい。
1~2時間ごとに5~10分の休憩を挟む…なんて挙動も入れたら、
ますます人間との区別がつかなくなること請け合いだろう。

絶対にBANされないが謳い文句の某グラブルBOTは、
このような思想の元作られていると思われる。
MMORPGなんかだとMPK*4とかでBOT殺せたりするけど、
そういった妨害が不可能なグラブルでは…。
通報して運営がどうにか対処してくれることを祈りましょう。

*1:これで某企業Wikiの編集者がツーラーだと判明した事件があった

*2:副窓黙認すんなよっていう意見は正直ごもっともだと思う

*3:一部の挙動に特化させた場合に限るが

*4:モンスターを引き連れて対象のプレイヤーに擦り付け、そのプレイヤーを殺す行為